▷Project
同時期に開催されたC.T.T.京都vol.96とC.T.T.sendai vol.02で発表した作品。
何もない空間に向かっていく作業のことを「虚無への挑戦」(E・シオラン)と最近よく稽古場で口にするのだが、C.T.T.のコンセプトはまさにそこにあると思う。ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソアが書いたリスボンの観光案内を題材に、《名づけ》における生成と消尽について取り組んだ。
ペソアのテキストを通して《海》と《都市》との和解について考える。被災や日本の状況などの御用聞きにならずに、自らの必要に応じて生まれた作品が何を語りうるのか、京都・仙台の観客と共に聞きたい。
▷Concept
- 何もない空間に身体ひとつで演劇を立ち上げる方法の追究。
- 詩人の特性にアクセスする演技を各自で考え、そのアイデアを実現するテクストを選び、持ち込むこと。
- 演技者はタイミングを伺い、舞台上のパフォーマンスを相対化する仕掛(マイク)との往復運動をする。
- 登退場は演技の中断(倒れる・やめるetc)を使うこと。
- 演技者間で技芸による競争を生み出さない形式であること(許容性のある表現の模索)。
会場 アトリエ劇研(京都)
せんだい演劇工房 10-BOX box-1(仙台)
原作 『不穏の書、断章』(思潮社)ほか
著者 フェルナンド・ペソア
翻訳 澤田 直
出演 稲垣 干城 井上 美香 瀧腰 教寛 立本 夏山 邸木 夕佳
構成・演出 鹿島 将介
舞台美術
制作 増永 紋美(旅程相談)
主催 C.T.T.京都 C.T.T.sendai
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