2012年「職業◉寺山修司(1935~1983/1983~2012)」

公演概要

2012年7/20(金)〜7/23(月)
於:STスポット横浜

原作: 寺山 修司(『ある男、ある夏』ほか)
北川 登園(『職業◉寺山修司』)
構成・演出: 鹿島 将介

出演:
石田 晶子
稲垣 干城
井上 美香
瀧腰 教寛
立本 雄一郎
邸木 夕佳
山田 宗一郎

照明:井坂 浩
音響:安藤 達朗
美術:青木 祐輔
衣裳:富永 美夏
運営:福田 英城 増永 紋美 重力/Note制作部
主催:重力/Note
協力:長谷川事務所 アマヤドリ

【公演日程】

7/20(金)19:30
7/21(土)13:00/19:00
7/22(日)13:00/19:00
7/23(月)13:00

どうも、《寺山修司》を知らないということ

「寺山修司を知らない」と、うそぶいてみたい。

事実、そうなのだった。1983年生まれの私が、生前の寺山を知るはずがない。だが、どうしたことか気がつかないうちに——それもなんとなく気の赴 くままに身につけた、例えば読書という趣味が、映画鑑賞という趣味が、音楽という趣味が——いつの間にか《寺山修司》という人物に到達しているのだ。あた かも私たちの身の回りにある、あらゆるものの源流を押さえられてしまっているかのように、気がつくとテラヤマは、いる。

舞台藝術に携わっていると「面白いけど、それはもうテラヤマがやっているよね」という言葉が、しばしば立ちはだかる。大概、その言葉を口にした者自 身も具体的な根拠をあげられるわけではなかったりするのだが、それでも妙な説得力をもって口端にのぼっては、いまなお前線で捻りだされた渾身のアイデアを 一蹴する。ウソカマコトカ知らないが——どうやらテラヤマが一通りやり尽くした、らしい。いつどこでテラヤマに影響/浸食されたのか、自覚がないだけ ギョッとする。全く、これには困っている。

それでも「寺山修司を知らない」と、あえて言おう。

かつて彼が東北の地から眼差した東京という都市、決別するかのように後にした故郷、血をめぐる葛藤、どこでもない世界への憧れなど、いま彼のテキス トに触れるたびに想起されるこれらの反復された衝動を前に感じるのは、共感という名の身近さよりも、少し距離のある何かだ。彼の死んだ年、浦安の埋立地に は東京ディズニーランドが誕生しているが、ジンタのメロディがエレクトリカル・パレードのそれへと移り変わり、さらに磐石だと思われていた夢の国が液状化 でひび割れた時代を、私たちは生きている。

とりあえず、舞台上にちゃぶ台を一つ置くところから始めたいとだけ思っている。寺山の愛憎がむけられたこの家具ですら、もはや私たちにはフィクションなしでは見つめられない何かなのだ。

鹿島 将介

【寺山修司 Shūji Terayama 1935~1983】

1935年生まれ。青森県出身。 詩人、歌人、小説家、劇作家、演出家、映画監督、シナリオライター、文芸評論家、エッセイスト、写真家、ボクシング評論家、ジャズ評論家、競馬評論家など 多くの肩書きを持つ。総じて「僕の職業は寺山修司です」と自称していたと言われている。67年より演劇実験室「天井桟敷」の主宰として演劇活動を展開。市 街劇をはじめ様々な実験的試みはなかば伝説化されている。またドイツの国際実験演劇祭やフランスのナンシー演劇祭など、日本の劇団が海外に進出していくこ との先鞭としての役割を果たした。代表作に評論『書を捨てよ、町へ出よう』(67)、映画『田園に死す』(74) 、戯曲『奴婢訓』(78) などがある。83年没。

公演チラシ

舞台写真

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