about us – 重力/Noteとは?
【発端】
2007年、鹿島将介が大学卒業を期に開始した表現活動の総称。地球の重力下でおこなわれてきた表現活動の最後の世代を自負し、重力と想像力の緊張関係を検討・記述することの意味をこめて始められた。人間を取り巻く様々な力の運動を記述した《場》を提供し、観客と一緒に人間という存在の根源を思考していくことを目的としている。これまでに本公演では『かもめ』(08)『戸口の外で』(09)、『マリア/首』(同)、研究発表として『駆込み訴え』(同)『ハムレット・マシーン』(同)などを発表。10年より劇団に改編。今年度はイヨネスコの他に、松田正隆の作品に取り組む。
【三つの活動方針】
重力/Noteでは、あらゆるジャンルの表現を《時間の創作》と仮定し、人生という限られた時間の中で発信・享受されるといった関係を前提としている。
次の三点は、重力/Noteの活動指針である。
一.人間の実存を考えるための表現を模索すること
二.こうした表現を発信する劇場作り・それを受けとめる観客作り
三.以上の創造活動を形成し、支えることのできる人材集めおよび育成
【作風】
主に取り上げているのは、現代社会の中で喪われつつある価値観や感覚である。高度成長を終えた日本では、その後に到来した情報革命によって高度な情報社会へと発展したが、そのことによって従来の空間的利便性に加えて、時間的なものまでもが加速傾向にある。人間に関する情報はデータベース化されたが、利便性に裏打ちされた失敗のない人生を支配的に求められる一方で、本来欠くべきものではなかった人間の生きる時間、すなわち《経験そのもの》が著しく喪われつつある。重力/Noteでは、それらに対する哀悼行為としての表現を模索している。世界各国の古典作品を取り上げることが多いのは、それら諸作品を文芸における権威的な古典とするのではなく、人類の忘れ難い経験の軌跡とし、《経験の古典》と位置づけて読み解くためである。
現在の作業仮説を「演劇体験とは《喪われた経験の回復》である」とし、人間が生きる上で避けることの出来ない時間や普遍的な情念を切り口に作品づくりをおこなっている。徹底的な身体訓練に基づく舞台作りでは、時空間を緻密に構成し、俳優がモノと生命の境界を行き来することで独特な存在感を放つように目指されている。稽古では身体上のコミュニケーションやコントロールを大事にし、それらの技術を前提とした上で、コミュニケーションが歪になって疎外されている人間存在を描写する。
【活動履歴】
『かもめ』(08年2月:シアター・バビロンの流れのほとりにて)
『狼少年』(08年6月:江戸東京博物館)
明治大学文化プロジェクトにおけるWS(08年9月:明治大学)
『戸口の外で』(09年1月:シアター・バビロンの流れのほとりにて)
『駆込み訴え』(09年10月:研究発表)
『ハムレット・マシーン』(09年10月:研究発表)
『マリア/首』(09年12月:シアター・バビロンの流れのほとりにて)
三浦基演出講/WSの制作・運営(10年5月:テアトロ・ド・ソーニョ)
『二人/狂う(10年7月:テアトロ・ド・ソーニョ)
松田正隆作品を発表予定(10年度:未定)
現在、浅草橋に事務所を置く。二〇一二年にアトリエを構える予定。都内ではテアトロ・ド・ソーニョ、アゴラ劇場、アトリエ春風舎を中心に活動していく。F/Tや京都国際演劇祭など国内外の国際的なフェスティバルに作品をもっていったり、自前の劇場を拠点とすることを目指す。こうした目標を視野に入れて劇場作りを志向している人材を常時募っている。なお千葉県の九十九里浜に、海を借景にできる劇場を建設できないものかと構想中。その前に浅草に劇場を作りたい。